週末の午前中は、決まって「作り置き」の時間だった。
この週末に食べるごはんと、来週のお弁当の材料を一気に仕込む。
ごぼうにニンジン、きんぴら2種。
鶏そぼろ、肉じゃが、パプリカ、きのこ、玉ねぎのマリネ……
7品以上を一気に作る“気合いの作り置き”が、当たり前の週末だった。
でも今は、筋トレに遍路、朝活でのブログ執筆、たまに行くハイキングや焚火まで──
やりたいことの大渋滞が日常になった。
いつしか、あの気合い作り置きは疲労のもとに。
でも不思議なことに、そんな今だからこそ見つかった。
“整える時間”としての「ゆる作り置き」が、ちょうどいいという感覚。
昔はパンパンだった冷蔵庫

【現在の冷蔵庫。買い物予定の日の朝撮影なので一番ものが少ない状態。この3段ぐらいで十分。冷蔵庫も小さいのに買い換えてもいいくらいです。】
今は、この3段くらいのスペースがあればじゅうぶん。(野菜室と冷凍庫は別にありますが…)
でも、お酒を飲んでいた頃や作り置きを始める前の私は──
この倍以上のスペースを食材でパンパンにしていました。
▶お酒を飲んで時間もお金も無駄にしていた頃の話はこちら。
子育てに手がかかっていたとはいえ、今ほど熱中している趣味もなかったあの頃。
時間はあったはずなのに、冷蔵庫の奥で食材を腐らせてしまうこともしょっちゅう。
「空いているスペース=不安」
だから、何かしらストックがあれば安心。
そう思い込んで、見通しもなく買い物を繰り返していたように思います。
変化のきっかけは筋トレと朝活
歩き遍路の体験をきっかけに、体力づくりのために筋トレを始めました。
やがてハイキングも習慣化し、週末にはジムへ、月に1回は低山ハイク。年に数回は歩き遍路。
そんなふうに「動く週末」が定着してくると、
午前中いっぱいを費やしていた作り置きが、少しずつ負担に感じるようになりました。
自然と、作り置きも“省エネ仕様”に。
- 切っておくだけ(2日以内に使い切れる分)
- 茹でて冷蔵/冷凍(数日保存用)
- お徳用の肉を1回分ずつ冷凍(1週間で使い切り)
- マリネは食卓を救う!とりあえず酢漬けをひと品
夕食を作るついでに、
あるいは夕食後にほんの少しだけ仕込んでおく。
そうすることで、週末まとめ仕込みを手放してみたのです。
筋トレが「筋トレ+時々登山」になっていったように、
作り置きも量・質・ペースを自分の暮らしに合わせて、
少しずつ変化させることができるようになりました。
作り置きと買い足しのバランス
買いすぎやムダ買いを防ぐために、食材の買い物は基本的に週末にまとめ買い。
でも──
「鮮度のいいお魚が食べたい!」
「うっかり買い忘れた!」
「あともう一品ほしい!」
そんな声に応えるために、私は水曜日を「ちょい買い足しデー」にしています。
- 商店街の魚屋さんでお刺身や切り身を調達
- じゃこなど少し日持ちする食材を補充
- 賞味期限が短いヨーグルトや納豆もこの日に買い足し
そして、水曜日は「ポイント〇倍」などのキャンペーンが多い曜日。
ポイ活的にもお買い得なタイミングだったりするので、一石二鳥です。
【ある日の作り置き】

キノコのマリネ
そぼろ卵
肉そぼろ
キノコのマリネはオリーブオイルとニンニクを炒めたところにえのきとしめじを放り込んでさらに炒めたもの。南蛮漬けのお酢に漬けて出来上がりです。
そぼろ卵はシンプルに薄く塩だけで味付け。弱火にかけて箸でグルグルと混ぜながらボロボロになるまで(←語彙!)炒めて出来上がり。
肉そぼろはひき肉に酒、みりん、醬油としょうがのしぼり汁を加えて
これも弱火にかけて箸でグルグルと混ぜながら水分が半分になるくらいまで炒め煮て出来上がり。
お好みでニンニクのみじん切りを入れてもよし。
冷蔵庫がスッキリしたら、心も軽くなった
中身の少なくなった冷蔵庫を見て、
娘に「なんにもないじゃん!」と笑われることがあります。
でも私は、そこまで在庫を使い切っている自分を、ちょっと誇らしく思っているのです。
食材をぎゅうぎゅうに詰め込んだ頃は、
「たくさんある=安心」だと思い込んでいました。
でも今は違います。
「必要なものはちゃんとある」という感覚で暮らせていることが、自分にとっての安心です。
ものが詰まった冷蔵庫は電気代もかかると聞きますし、
詰め込みすぎは、気持ちのごちゃつきにもつながるのかもしれません。
冷蔵庫は、きっと暮らしの鏡。
食べすぎたり、ためこみすぎたり、遠回りもたくさんしてきたけれど──
アラフィフになった今、ようやく「ちょうどいいバランス」に出会えた気がします。
まとめ
作り置きの写真をSNSに投稿すると、
「丁寧な暮らしのマリコさん!」なんて言われることがあります。
でも実のところ、たぶん私は“丁寧”とは真逆のところにいると思うのです(笑)。
丁寧に暮らすことを目的にしていなかったからこそ、
作り置きはゆるく、かたちを変えながら続いてきた。
それは、自分のやりたいことをやるための「手抜き戦略」。
いかにラクできるかを考え抜いた、50代の生きる知恵です。
がんばる作り置きじゃなくて、
暮らしを回す“ゆる仕込み”が、ちょうどいい。
無理しなくても、整う暮らしはつくれる。
ようやくそれが、わかってきた気がします。 実は、2025年の手帳の最初のページにこう書きました。
「楽をする」──それが、私の今年の目標。
無理をしないこと、でも自分に手をかけてあげること。
ゆる作り置きは、その一歩目だったのかもしれません。
コメント