「今日は飲まないでおこう」
そう思いながら、また缶ビールに手が伸びる。
当時の私は、そんな毎日を繰り返していました。
きっかけはコロナ禍。
専門家や政治家の意見がバラバラで、何が正しくて、どうやって自分の健康を守ればいいのかもわからない──そんな不安の中で、私は思いました。
「自分で自分を守らなきゃ!」
そのとき考えたのです。
今、私が私の心と体のためにできることって、何だろう?
そしてふと、浮かんだのが――
「お酒、やめてみようかな……」
それから数年。
気づけば、あれほど習慣だった晩酌をやめ、飲まない日々が続いています。
そして今、心から思うのです。
お酒を「やめた」ことで、私はたくさんの「得たもの」があった。
🍺 飲むのがあたりまえだった日々
30代から40代半ばにかけて、私は1年のうち360日ほどお酒を飲んでいました。
仕事が終われば当然のように晩酌。発泡酒や缶チューハイを飲みながら、夕飯を食べるのが一日の締めくくりでした。
ほぼ毎日、500mlの発泡酒やチューハイを2缶と、おつまみになりそうなお菓子やお惣菜をひとつ買う。
一回の晩酌で、だいたい500円から1000円くらいのお金を使っていました。
2缶では物足りず、夕食後に「ちょっとだけ」と言い訳しながら、コンビニに追加のチューハイを買いに行くことも。
気づけば、月に2〜3万円近くが晩酌代に消えていき、年単位で考えればかなりの金額です。
2万円×12(月)×15(年)=360万──信じがたいリアルな数字。
車が新車で買えてしまう金額ですね。
日本のアルコール摂取による経済損失は約4兆円とも言われていますが、国単位の数字だとピンと来ませんでした。
こちらのサイト参照: アルコール問題と社会的損失
でも、自分の生活に置き換えて計算してみると、納得せざるを得ません。
小さな額と思っていたけれど、それでも私にとっては大きな損失でした。
お酒をやめて気づいたのは、時間もお金も、お酒に優先されていたんだなということです。
そのお金があれば、もっと自分に投資できたかもしれませんし、もっと自由な時間が持てたのではないかと思います。
🌿 飲まない生活は、案外ラクだった
お酒をやめてみて、まず感じたのは「睡眠の質がぜんぜん違う」ということ。
飲んでいた頃は、「お酒を飲んだ方がぐっすり眠れる」と思っていましたが、それは単なる思い込みでした。
実際には、アルコールは安眠を促すどころか、睡眠の質を下げてしまうものなのです。
私の場合、毎晩500mlの発泡酒を2缶、つまり1ℓ以上のお酒を飲んでいました。
アルコール換算で約50g。厚生労働省が示す「節度ある適度な飲酒」の目安(1日20g)を大きく超えていました。
▶︎ 参考:国立精神・神経医療研究センター 睡眠コラム
つまり、安眠どころか「眠りを妨げる」飲み方をしていたんですね。
でも、飲まなくなってからは――
何と深く眠れるようになったことか!
体はあっという間に「飲まない生活」に慣れて、朝の目覚めもスッキリ。
これだけで、一日の充実度がまったく違います。
今では、朝から夜まで元気に動ける自分が嬉しいです。
もうひとつの変化は、「車で動けるようになったこと」。
仕事帰りにそのままトレーニングや温泉へ。
「飲みたいから早く帰る」から、「行きたいから飲まない」へ――そんなふうに思考も変わってきました。
その結果、体重も自然と63kgから57kgに減少。
お酒+おつまみのカロリーって、やっぱりすごかったんだなと実感しました。
お財布にも優しくなり、生活全体にゆとりが生まれたのも嬉しい変化です。
「飲まないって、こんなにラクだったんだ」
時間・お金・体調……自分に優しくなれたおかげで、暮らしをもっと楽しめるようになりました。
☕ 飲まない生活を続けるコツ
とはいえ、最初からスムーズだったわけではありません。
やめ始めの頃は、炭酸の刺激が恋しくて、代わりに炭酸飲料を飲んでごまかしていました。
これはなかなか効果がありました。
また、スーパーで買い物をする曜日を決めて、毎日行かないようにしたのも良かったです。
お酒が目に入る機会を減らすことで、欲求が薄れていく気がしました。
特に、やめてから2週間くらいがヤマです。
この時期はイライラしたり、なんとなく不安定になったりしやすいので、あらかじめ「そういうもの」と思っておくとラクです。
そのぶん、甘いものやおやつが増えるかもしれませんが、それもOK。
お酒以外の気分転換をできるだけ多く試して、乗り切りました。
🌸 手放してみてわかること
お酒を飲まなくなって、私の毎日は少しずつ変わりました。
大きな変化ではないけれど、小さな「快適」が積み重なって、気づけば心も体も、ずいぶん軽くなっていたんです。
飲んでいた頃は「楽しみが減る」と思っていたけれど、
むしろ今は、楽しみの選択肢が広がったように感じています。
温泉、筋トレ、ドライブ、自炊、早起き……
アルコールがなくても、十分にごきげんに過ごせると気づいたとき、
なんだか自由になったような気がしました。
お酒との付き合い方は人それぞれです。
無理にやめる必要もないし、ちょっと減らしてみるだけでもいい。
ただ、「今のままでいいのかな」と思うことがあるなら、
少し立ち止まって、自分の暮らしを見直すきっかけにしてみてほしいなと思います。
✨ まとめ
飲まないという選択は、我慢ではなく
自分を大切にするための“自由”だったのかもしれません。
お酒をやめたことで、私がいちばん得たもの。
それはきっと、ほんとうの自分の時間でした。
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