今回の旅程
4月25日(金)前回打ち止めした「おみろく様」周辺までは公共交通機関で移動
AM8:30~歩き遍路スタート!
35番清滝寺、36番青龍寺でこの日は終了。
4月26日(土)7:00過ぎ須崎市巡行船で約10㎞ワープ!
須崎市内を歩いて中土佐町に宿泊。
4月27日(日)中土佐町から岩本寺まで歩を進める。
岩本寺でこの日は打ち止め。初の「宿坊」への宿泊
4月28日(月)宿坊で「朝のお勤め体験」(朝の読経)、朝食を済ませて出立。
大方町まで約30㎞を歩いて大方町入野あたりで宿泊
4月29日(火)大方町入野から土佐清水市内へ突入(予定は未定。体力、コンディションによる)中村駅から列車で帰宅。今回はここで打ち止め。
4泊5日の旅程でお参りできるお寺はたった3か所。徳島県でも体験した過酷な「寺なし区間」再びです。お寺とお寺の距離が近いと歩を進める当面の目標になって見通しをもって歩くことができるのですが、一日歩き続けないといけないのが数日続くとふと「何やってんだろう、自分。」とちょっと空しくなってきたりもします。その「空しくなる」のが実は「無心で歩く」ことの始まりで心と体をリセットできるチャンスなのかもしれないと歩き遍路2年目になり考察しています。
かかった費用まとめ(高知編その①)
項目 | 費用 | 内容の補足 |
---|---|---|
宿泊費 | 18,300円 | 4泊分。ゲストハウスや旅館などを利用 |
交通費 | 7,220円 | スタート地点までのJRやバス、帰りのバスや特急列車料金 |
食費 | 14,810円 | 外食、スーパーでの買い出し、宿坊の食事など |
お風呂・洗濯代 | 1,300円 | スーパー銭湯1回、コインランドリー1回 |
その他雑費 | 1,980円 | おやつ・飲み物・日用品(絆創膏、テーピングなど) |
合計 | 43,610円 |
今回の「高知編その①」でかかった費用は、合計43,610円でした。
食費の多いことよ(笑) 5日間、ひとりで14,000円!
数少ない贅沢体験と銘打っているだけあって鰹のたたき定食(1,450円)とかソフトクリーム(400円)とか観光要素の強い出費もあります。宿坊での食費は夕・朝食で3,300円とどうしても割高になります。

塩たたき定食。¥1,450

宿坊での夕食。温かいものが食べられるはありがたいです。
こうやって見てみるとスーパーで総菜や刺身など「できあがったもの」を買う生活、外食の多い生活を続けていると結構な出費になることが改めて分かります。

地元の魚屋さんで閉店間際に手に入れたスルメイカの刺身が美味。漁港のごちそうは鰹だけではありませんでした。
お刺身大好きなので普段も買いますが、いつもは自炊したり工夫もしてやりくりしてたんだなと分かりました。
歩き遍路の場合は一日1万円以内を目安として予算は5万円を準備していました。
予算内に収まっているのでまあまあうまくいったと実感しています。
歩いた距離・時間・歩数・消費カロリー
1日目:前回打ち止めした「おみろく様」付近から
AM8:00~歩き遍路スタート
35番清滝寺、36番青龍寺のお参りの後、宿泊先まで約4㎞進む。
15時50分宿到着。歩いた時間約6時間30分
歩行距離約27㎞
歩数:38854歩
(参考値:消費カロリー1141㎉)
2日目:お宿からすぐの「巡行船」乗り場から7:10初の巡行船で10㎞先までワープ!
8:00歩きスタート:須崎市横波から中土佐町のお宿まで
お宿着15時20分。歩いた時間約6時間
歩行距離約23㎞
歩数:39173歩
(参考値:消費カロリー1163㎉)
3日目
6:40スタート:お宿から37番岩本寺まで
岩本寺着13:30分。歩いた時間約4時間30分
歩行距離約22㎞
歩数:32068歩
(参考値:消費カロリー952㎉)
4日目
7:40スタート:岩本寺宿坊から黒潮町大方のお宿まで
お宿着16:20分。歩いた時間約7時間10分
歩行距離約31㎞
歩数:44051歩
(参考値:消費カロリー1311㎉)
5日目
6:30スタート:お宿から土佐清水市・市野瀬バス停付近まで
市野瀬バス停付近着14:20分。歩いた時間約7時間
歩行距離約32㎞
歩数:45109歩
(参考値:消費カロリー1407㎉)
*平坦な道もあれば山道もあるので毎日の時間や歩行距離にはばらつきがあります。
カロリー計算のアプリでハイキングの設定にしていなかったので山道歩行の消費カロリー計算がされていません。実際はもう少し多くカロリー消費している可能性が高いです。正確でないので参考までに。
途中でご飯を食べたり、休憩した時間は除いています。
総移動距離:135㎞
総歩数:199255歩
総歩行時間:31時間10分
一日の移動距離平均:27㎞
一日平均歩数:39851歩
一日平均歩行時間:6時間14分
「千里の道も一歩から」という言葉通り、一歩、一歩を積み重ねること31時間!なんと135㎞。5日間かけたとはいえ、フルマラソン3回分を上回る移動距離です。
私って、すごい!と少し自分をほめたくなりますね。
平均歩行速度は大体4㎞~5㎞/hでした。荷物(7㎏ほど)を背負っての歩行なのでこれ以上ペースを上げるのは難しいです。アラフィフ女子としてはおそらくやや健脚な方だと思います。
一日平均6時間以上を歩く体のメンテナンス・コンディションの整え方 「何もせかされることのない」夜は贅沢な自分時間。
【毎日の疲労感とその対策】
普段さすがに20㎞以上歩く生活はしていないので、腰や下半身には1日目からだるさを感じます。お宿についたらまずお風呂やシャワーを使わせていただいてさっぱりした後にしっかりストレッチを行います。
疲れたからと言って座ったまま動かない時間が長くなると、かえってだるさや痛みが増します。休憩時間もストレッチをして筋肉をしっかり伸ばした方が軽やかに歩くことができます。
洗濯や食事を終えてもだいたい夕方18時です。そこから特にしなければならないことがないという。(これも贅沢ですよね。自宅で家族もいたりするとやることたくさんありますもの!)
お宿での夕方からの時間は自分のために、明日の旅のために時間をとってストレッチしたり、早めに寝ることができる最高の時間でした。
【足・腰・筋肉痛について】
今回は旅に出る前、あまり筋トレや有酸素運動がしっかりできていなかったのもあり、初日の歩行が負担になったのか、2日目の朝に腰痛が出ました。
遍路旅には必ず湿布薬を持参します。まだ2日目だと油断せずに朝に湿布薬を貼り、炎症、痛みを抑えました。
早めの対応と毎日のストレッチが効いたのかその後は湿布を使うほどの腰痛はなく、5日間歩くことができました。
今回は大きな山越えの遍路道がなかったものの小さな峠越えの道は一日1~3か所ほどあり、膝への負担も少なからずありました。さらに、峠道は土砂崩れなどでガレ場(大小さまざまな石や岩がゴロゴロと積み重なってできた足元が非常に不安定な山道)も多く、足元に注意を払い、集中して歩かないとケガの危険もありました。4日目に左ひざの違和感と少しの痛みがあったのでこの時も湿布薬を一晩貼って炎症と痛みを抑えました。
痛みが出たときは早め早めのケアが重要です。湿布薬を忘れた場合でも途中ドラッグストアに立ち寄ることができるので途中で調達することもできます。
筋肉痛はあまり感じませんでしたが、下半身の張りは感じます。これもマッサージやストレッチで解消しながら旅をつづけました。
【睡眠や食欲など体のコンディション】
ゲストハウスや民泊のお宿ですがお部屋は基本個室になります。相部屋ではないのでそこはあまり他の宿泊者に気を遣わずに過ごすことができました。
だいたい午後8時半ごろには寝る準備をして9時過ぎには眠りに落ちていたような気がします。
そして3時半~4時半の間に目が覚める、というリズムになりました。
6時間半から7時間ぐらいの睡眠。夜中何度か目が覚めることもありましたが隣の人のいびきや物音も気にならないぐらい熟睡していたようです。
食欲は旺盛です。こんなに毎日長距離を歩くとお腹がすくので旅の間はあまりカロリーや栄養素は気にせず好きなものを食べるようにしました。
気を付けたいのは水分補給です。この時期の気温が日中で22℃くらいでした。食事の時やコンビニに寄れた時に水分を確保するだけではちょっと心もとないです。自販機を見つけたら1本買っておくなどして常にストックがある状態にしておきました。山道や過疎地域で商店がなにもないところを数時間歩くこともありますので自販機は大事な資源です。自販機の使用頻度は一日2回程度でした。

二日目。お宿近くにあった温泉「黒潮本陣」からの眺め。近くに温泉がある場合ぜひ活用してください。
心と体が癒される古道歩きは歩き遍路の醍醐味
【昔から暮らしや信仰を支えた道】
今回の遍路道には大きな山はないものの峠越えの古道がいくつかありました。

青龍寺道「鰹夜売りの道」塚地峠越えの道:下に見える港町から鰹を担いで運んだのだそうです。

仏坂超え:途中のツツジが美しい。

焼坂峠超え:この道しるべはどれぐらいの距離か案内してくれていて見通しをもって進むことができました。道しるべをつけてくれた方に感謝です。

大阪道七子峠の道:峠から来た道を望む風景。遠くに見える港町からここまで来ました。頑張った風景。
伊豆田道

新しくロープが設置されていて人が定期的に整備していることが分かります。


ガレ場のなかでもここは通るのに注意を要しました。道を整備している方が教えてくれていたので助かりました。(大阪道七子峠途中にて)
どれも昔から行商や巡礼で使われていた古い生活の道です。道中には炭窯跡もあり、道を使って人が生活していた痕跡を見ることができました。

穴のようになっているところが炭窯跡です。赤土のある場所にこのような「遺跡」を見つけることができます。
しかし、舗装された道路が一般的になり、車移動が当たり前になった今は通る人も少なくなり存亡の危機にあります。土砂災害の起こりやすい地域のため悪天候時には通ることができないような道もあります。
途中、遍路道の草刈りや整備をしている地元の方に出会いました。整備で山に入る時も遍路と同じ白装束を着て作業されていました。巡礼だけではない信仰の形が遍路道沿いにあることを知りました。
【毎日が森林浴という贅沢な空間と時間】
ガレ場の多い道ではありますが、ずっと鳥のさえずりを聞き、若葉の出るときの独特の匂いがして清々しい道のりです。日々山道を歩くため毎日が森林浴です。

このような道が1時間ほど続くことも。お天気にも恵まれたラッキーもあり、至福の時間です。

まだ残っていた八重桜。ツツジと桜を同時に見られた素敵な春になりました。
山の中、木々のなかを歩いていると色々な「匂い」がします。今は筍が出てくる季節ですので筍の皮を剥いだ匂いや整備や伐採に入ったあとの山なら木や竹を切った時の匂いもします。獣のような匂いがすることもありますが、人が通っている時は獣から遠ざかっていくので獣にはほとんど出会いません。(道中タヌキを2回見ただけです)心配な場合は「熊鈴」と呼ばれる鈴をリュックにつけるとよいです。お寺でも売っている場合があります。お寺で購入すると「お守り」をつけているような気持になります。

お寺で購入した私の「熊鈴」。幸福の鐘と書いてあります。
さいごに
今回の旅は、お寺の少ない長丁場、「自分と向き合う旅」でした。ひたすら歩き続ける中で生まれる空虚さも、無心になっていくプロセスの一部だったのかもしれません。135km、5日間、歩数にして20万歩近く。身体の疲労と引き換えに得られたのは、日常では味わえない時間の豊かさと、自分を少しだけ誇らしく思える感覚でした。
ダイエットや節約などは少し脇に置いて自分時間を過ごせた5日間。心の充足感も多めだった今回の「高知編その①」。次の区切り打ちではどんな風景と出会いが待っているのか、楽しみです。また日常に戻って「節約・健康生活」を続けてお金と身体と、次の旅の準備をしようと思います。
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